自分でつくるセーフティネット〜生存戦略としてのIT入門〜を読んだ

佐々木 俊尚氏の書いた「自分でつくるセーフティネット〜生存戦略としてのIT入門〜」を読んだので、ざっくりと感想を書いてみる。

自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~
自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~

本書では、「国と会社が守ってくれる時代は終わり、「善い人」が信頼されるネット人格の時代。SNSでゆる〜くつながるのが最強の生存戦略」と述べられています。

ゆる〜いつながりとは、どういうものかというと、ちょっと名刺交換しただけの人とか、ネット上での知り合いみたいな人とのつながりのことだそうです。これに対して、強いつながりは、信頼できる会社の同僚や血を分けた家族のような、きずなを持ったつながりのことだそうです。

本書では、このゆるいつながりが、これからいかに重要かということが、いろいろ事例を交えて説明されています。

強いつながりを持っていた方が、信頼できて安心できそうですが、その反面、同調圧力も強いそうです。みんなと違う意見を言っているというのが非難の対象になりやすいとのこと。それに対して、ゆるいつながりは、共通点が少ないことが多く、知らない情報を共有しやすいという特徴があると、本書では述べられています。

確かに、面倒くさい強いつながりよりも、ネットのようなゆるいつながりの方が、息苦しくなくていいよなぁなんて、日々思うことはあるのですが、実際に具体例を挙げて説明されると、なるほど!と思うことが多いです。

ゆるいつながりを作るにはどうするべきかという問いには「善い人であることが、最強の生存戦略」であると述べられています。昔は、「正直者は馬鹿を見る」なんて言われていたけれど、ネット上では、その人の行いが記録として残って公開されてしまう(総透明社会)ので、善い人の回りには善い人が集まりやすく、悪い人の回りには悪い人しか集まらないとのことです。

SNSを活用するためには、自分の日常や日々考えてることを、友人たちに常に見てもらわなければならない。そういう何でも丸見えになっちゃう「総透明社会」だからこそ、自分という人間性を保証することができるということ。そこでは善意も悪意も、全部が見えてしまうんですよ。

総透明社会では相手が信頼に足りうる人物かどうかは、ネット上の日々の言動を見ることで、簡単に判別できるという分けです。そして、こうした状態の中では「善い人であることが、最強の生存戦略」になるわけです。

ネットでは善い人風だけど、実際にあったら悪い人っていうのもいるのでは?という疑問が浮かびますが、それに対しては、サイバーエージェントの藤田社長のブログを引用して、

参考:ネットは丸裸メディア

ちょっと前に社内で飲んでる時に、
「ネットでは性格悪いけど、実際会うといい人
いるじゃないですか」
「逆に、ネットでいい人そうに見えるけど、
実際には悪どい人もいますよね」
と話すプロデューサーに対して、
「それは絶対にないよ」
と断言しました。
性格の悪いひとは悪いように伝わって、
いい人ぶってる人はいい人ぶっているように
本人は気づかなくとも、そのまんま伝わります。
本人も無意識のうちに、投稿内容にも
内面が現れます。
ネットでは印象の悪かった人だったけど、
会うと良い人だったというのなら、
むしろリアルの場のほうを疑ったほうが
良いでしょう。

と述べられています。
佐々木 俊尚氏は、このブログのエントリを読んで「そうそう、その通り!」と、膝を打つぐらい同意したそうですが、僕も同感です。人間というのは、どんなに取り繕っても、やっぱり、普段の言動に、その人の人となりが出てしまう気がします。

ネットを使って、善い人として行動し、その情報を日々公開していくことは、自分の信用向上にもつながるし、ゆる〜いつながりが増えて、将来的にはセーフティネットにもなる。自分のことを公開していくことは、リスクばかりでは無くて、大きなメリットもあるというのが、大変興味深く、かつ、面白く感じました。これからは、ネット上の人格を育てていくのが重要になっていくのかもしれないですね。

ネットを情報閲覧ツールとしてしか使っていなかった層の人が本書を読めば、自分から情報を出していく意味がよく分かるのでは無いでしょうか。既にネットを活用している層の人なら本書で述べられている内容には共感を感じられる部分が多いと思います。

佐々木 俊尚氏の書いた本としては珍しく文体がですます調で書かれていてさくっと読めてしまいますので、おすすめです。

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